オン ザ・ブロックチェーン

Tetherとは何なのか?その仕組みと陰謀説と今後の展開について

calendar

スポンサーリンク

Tether(テザー)とは


 Tether(テザー)というのは仮想通貨の一種です。

 しかし他の仮想通貨とはちょっと違います。

 Tetherというのは、Tether社が発行する仮想通貨で、法定通貨にペッグされたものです。

 USD(米ドル)にペグされているTetherはUSDTと呼ばれています。他にもユーロや円にペグされたTetherもあるようですが、ユーロや円のTetherは実際出回っていない(まだ発行されていない?)ようで、現状ではTether=USDTと言える状況です。

 原則として1USDT=1USDです。

 Tether社に100USDを渡せば、100USDTがもらえます。

 Tether社が、USDTとUSDの等価交換にいつでも応じるということで、その価値は保たれています。


Tether社のサイト

 要するにUSDTというのは米ドルの仮想版みたいなものです。

 USDTを使って、ビットコインなどの仮想通貨を売り買いできる取引所も海外には多くあるので、そういった取引所では米ドルを入金せずとも、自分の持ってるUSDTを取引所に送ることで米ドルと同じように仮想通貨売買を行うことができます。

 USDTが欲しい人はTether社から買うことも出来るし、取引所もUSDTでの取引を円滑に行えるようにTether社からUSDTを大量に買っているんだと思います。

 USDTは仮想通貨なので銀行を通さずに動かすことができるのでとにかく便利です。

 そうして結果的に、USDTはBittrexBitfinexなどの大手取引所にて、米ドルの仮想版として流通しています。

Tetherの仕組み

 Tetherの実体は、Omniプロトコルを利用した独自トークンです。

 Omniプロトコルというのは、ビットコインのブロックチェーンを利用して独自の仮想通貨(トークン)を発行することができる仕組みのことを言います。

 それなりの原資さえあれば誰でも出来ます。

 たぶん僕でも出来ます。

 例えば僕が独自のコインを大量に作って、「1コイン=1円で売ります。いつでも1コイン=1円で買い戻しますよー。」と触れ込むことで、そのコインは常に1円の価値を持つことになります。

 もちろんそれを多くの人に信じさせることが出来たらの話です。

 逆に言えば、Tether社はそれを広く信じてもらえる下地やコネクションがあったのでしょう。

 果たして法的にそんなことが許されるのかよく分かりませんが、仕組みとしてはそんな感じだと思います。

 ともかく、そのようなややグレーな手法でTether社はUSDと同等の価値を持つ独自通貨USDTを発行したわけです。

Tetherの疑惑

 というわけで、仮想通貨取引所に浸透しはじめたUSDTなんですが、最近になってTether社の陰謀論がまことしやかに語られ始めました。

全てのUSDTは本当にUSDに裏付けられているのか?

実は何の裏付けもないUSDTが出回っているんじゃないか?

最近ビットコインが高騰しているのは、根拠なく発行された大量のUSDTが買い支えているからじゃないのか?

 実際に、USDTの発行量の増え方は尋常なペースではありません。

 ↑こちらは直近1年間のUSDTの時価総額の推移を表すチャートです。時価総額と言ってもUSDTの場合、単価は1ドルで固定なのでこのチャートは発行枚数を表していると言えます。

 2016年末の時点で700万ドルに満たなかったのが、現在6億7000万ドル分も発行されています。1年で約100倍です。特に2017年5月以降の伸び率が半端じゃありません。

 本当にTether社に6億7000万ドル(約700億円)もの入金があったのか?本当にTether社はそれだけの現金を保有しているのか?疑問に思うのも無理はない数字です。

 大手取引所には割安価格で横流ししてるんじゃねぇの?Tetherを発行すればする程、ビットコインも値上がりして皆が儲かるもんだから、どんどんやり口もエスカレートしてんじゃねえの?と勘ぐってしまいます。

 しかも、Tether社のサイトの利用規約に恐ろしい記載があるんです。

 ↑この緑の部分を訳してくれたのがこちら。↓


 
 「Tether社は発行したTetherを換金する義務を負わない!」って堂々と書いてあるんです。

 トップページにはいつでも等価で換金しますよ。と書いてあるにも関わらず!

 普通に詐欺じゃないかと突っ込みたくなります。

Bitfinexとの黒い関係

 そもそもTetherがこれだけ普及したのは、取引所がUSDTによる取引を認めたからだと言えます。

 USDTを購入する理由は、取引所に米ドルを入金しなくても手軽に仮想通貨トレードをできるっていう以外に無いでしょうから。

 USDTによる仮想通貨トレードを認めている大手取引所の1つが、Bitfinexなんですが、このBitFinexとTether社はグループ会社らしいんです。

 Tether社が発行したUSDTをBitfinexが認めて流通させることで、USDTという仮想通貨の価値を成り立たせたと見ることもできるわけです。

 普及させて便利になるだけならまあ少なくとも利用者にとっては何の問題もないです。

 けどもしUSDTを取引所で使えるようにした裏で、何の根拠もないUSDTを大量に発行し、それを使ってビットコイン価格を操作しているとしたら大問題です。

 大手取引所であるBitfinexとTether社が共謀すれば、原理的には可能です。

 時価総額約1000億ドルのビットコインに対して、数億ドル程度では値段を不自然に吊り上げる程の規模ではないという声もありますが、やりようによってはトレンドを操作することは十分可能な規模と言えるかと思います。

 価格を操作することができれば単純に差益を抜くこともできるし、上昇相場を作ることも出来るでしょう。ビットコイン価格が上がることは取引所の経営にとっては望ましいことだと言えます。どんどん上がり続けるのならビットコインを買ってみようという人も増えるでしょうから。

 真相は今のところ闇の中ですが、きな臭さは半端じゃないです。

 Bitfinexは2016年にもハッキングによるGOX騒ぎを起こしており、その際に損を被った顧客に補填としてBFXという独自トークン(自社株との交換を約束)を発行して渡すというやや強引かつ問題の先送り的な手法で事を乗り越えてきた経緯があります。

 もはや自転車操業状態であり、とにかく急場を凌ぐ為にお金をかき集めるぞってことで生み出したのがTetherだったのかも知れません。

なぜか値を下げないTether

 しかしながら、幸いというか何というかTetherは見事に1USDT=1USDの価値を保っています。

 ちなみにUSDTとUSDの交換はTether社を通さずとも、もちろんUSDTを取り扱っている取引所でならBTC等を介して行うことが可能です。BitfinexではUSD-USDTの直接トレードできる板も用意しています。

 今確認した所、Bitfinexの取り扱い通貨ペアの中にUSDTが見当たらないのですが・・、やめたの?

 BitfinexのUSDT/USDの取引ページ(https://www.bitfinex.com/t/USDT:USD)にアクセスするとBTC/USDの取引ページ(https://www.bitfinex.com/t/BTCUSD)にリダイレクトされます。なぜ??

 なんかよく分からない部分もありますが、ともかく1USDTはそれを取り扱っている取引所内では1USDとして利用できているわけです。

 とは言え過去に危機もありました。

 2017年4月にTetherの価値を揺るがす事件が起こっています。

 ↓このチャートは、1USDT(Tether)の価格推移を表すものなのですが、ずーっと1USDで安定していたのが今年の4月22日に突如急落しています。

 これはBitfinexの出金トラブルが発端だったようです。一時的にBitfinexからUSDを出金できなくなり言わば取り付け騒ぎのような状態になっていたそうです。

 Bitfinexに口座を持っている人からすれば、USDが引き出せないとなればUSDをBTC等に変えて、取引所の外に送ってしまうのが最も安全です。その頃BitfinexのBTC価格は他の取引所よりも高騰していたようです。

 Bitfinexと関係の深いUSDTも危険だと思った人たちがBTC等に避難したことで、USDTに強烈な売り圧力がかかった結果なのかなと思います。

 安定していたUSDTの価値に初めてケチがついた大きな事件だったんでしょう。その後、USDTの価格はそれまでと明らかに異なり揺れ始めているのが分かります。

 4月22日以降、突如として暴れだしたUSDTのチャートですが、とりあえず価格は1USDに収束しようとしているようです。しかし注目は取引量です。

 価格自体はそれほど大きく動いているわけではないにも関わらず、取引量だけがどんどん増えているのが分かると思います。

 これはTetherの値崩れを心配した人による売り圧力に対して、何者かが同等の買いを入れることでちょうど1USDになるように調整しながら買い支えているようにしか思えません。

 買い支えているのはTether社及び、USDTを取り扱う取引所だと考えるのが妥当でしょう。

 USDTを大量保有している取引所にしてみれば、USDTの価値が落ちてしまっては困ります。USDTはUSDにペッグされているのが前提なのでもし価格が下落し始めたら中途半端なところでは止まらないでしょう。ペッグできるか否かにその価値は依存しています。

 それに取引所にしてみれば、多少対価を払ってでもUSDTには価値を保ってもらった方が商売も捗るはずです。

 まあ、あくまで想像ではありますが。

Tetherハッキング事件

 そんないわくつきのTether社にさらなる追い打ちをかけるTetherハッキング事件が、2017年11月19日に起こりました。

 Tether社が保有していた30,950,010 USDT(35億円相当)が、何者かに盗まれたと言うんです。

 この件に関してTether社は以下の対応を行うと発表しています。

  1. Tether社の持つウォレットサービスを一時停止し、同様の問題が起こらないように対処する。
  2. Omni Core(Omniのソフトウェア)をアップデートすることで、盗難されたTetherを凍結する
  3. 盗難されたTetherは無効化されるので、それをもし受け取ったとしてもUSDへ交換することはない。
  4. Omni Layerをハードフォークさせ、盗難されたTetherを元に戻す

参考Tether – Tether Critical Announcement

 そんなことが出来るのか?という内容ですが、どうやらOmniというのは事実上Tether社が仕切っているような状態らしく、Tether社の一存でソフトウェアの書き換えもやりたい放題なんでしょう。

 Omniというのは元々、BTCのブロックチェーンを利用したオープンソース分散型の独自通貨発行システムだったのが、Tether社が乗っ取ってしまっているような状態と言えるかも知れません。

 この件以後、Tether社のサイトに表示されていた財務表の類いは非表示となっています。

https://wallet.tether.to/transparency

 transparency(透明性)を示すはずのページが非表示とは何とも皮肉なものです。

 新規アカウント登録も停止しているようで、Tether社は著しく信用を毀損したと言えます。

 にも関わらず1USDTが1USDの価値を保っている現状に、作為的なチカラを感じざるをえません(あばれる君風w)

もしTetherが破綻したら?

 心配なのは、Tether社が破綻するというシナリオです。

 仮にUSDTを発行した分と同額の米ドルがTether社に入っているとしても、その預り金を運用に使って大失敗したら間違いなくアウトです。

 もし、Bitfinexが入金を先送りした状態、つまりお金を支払わずにUSDTを手に入れていたとしたら、Bitfinexの自転車が壊れた時点でBitfinexもろともアウトです。

 Tether社が破綻するというのは十分可能性のある話だと思います。

 もちろんTether社が破綻すれば、USDTをUSDに換金することは出来なくなり、当然ながらUSDTの価値は暴落するでしょう。

 誰も保証してくれないとなれば無価値なただのトークンです。仮想通貨だけに紙くずにもなりません。

 近い将来、そうなる可能性があります。

 言わば壮大なババ抜き状態です。ババは大量に出回っています。

 もしTether社の破綻が現実味を帯びてきたら、USDTを持っている人は取引所でそれをビットコイン等の仮想通貨に交換しようとするでしょう。なのでTether社の破綻→ビットコイン暴落という単純な話にはならないと思います。むしろ安全資産として一時的に買われる可能性もあります。

 まあもしかしたら表沙汰になる前に、取引所がUSDTによる取引を先に停止してしまうかも知れませんが。

 っていうかBitfinexでは既にUSDTを取り扱ってないみたいですがどういう事なんですかこれ??

参考Bitfinex – Statistics

 ただし、Tether社が破綻し、USDTが無価値になってしまうと取引所の破綻が引き起こされる可能性があります。

 Bitfinexだけでなく、他の取引所も保持しているUSDTがババになった瞬間、大きな損失を被ることになるでしょうから場合によっては危ないでしょう。

 取引所の破綻は間違いなくビットコイン暴落の引き金になります。不可避です。

 もし連鎖的に複数の大手取引所が畳まれるなんてことになると、そのダメージは計り知れません。

 恐ろしいババ抜きです。

 果たしてTether社は大丈夫なのでしょうか?

 個人的にはもう長くないと思っています。

 そもそも普通に考えたら、Tetherなんてモノを米当局が放置するはずがないんですよ。勝手にドルにペッグするなんてビットコインより遥かにたち悪いですよ。

 FRBが怒るに決まってる。

「それ、わしらがやるやつや。何勝手なことしてくれとんねん。」って。

 というわけで、Tetherの取り扱いには気をつけましょう。

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す




管理人

Nobuo

Nobuo

仮想通貨に興味があるただの人です。モナコインが好きなのでMonazon.jpを作りました。よろしくです。