オン ザ・ブロックチェーン

SegWit2xハードフォークとは?ビットコインはどうなる?

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 SegWit2xのハードフォークの日が近づいています。

 日本時間11月16日の予定です。→カウントダウンサイト

 混乱不可避とも言える状況になってますので、分かる範囲でちょっと話を整理したいと思います。

※もし、おかしいところがあれば突っ込んでもらえるとありがたいです。

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8月1日を巡る主要勢力と施策

 SegWit2xハードフォークは、8月1日の分裂騒動の続きになります。

 なのでとりあえず、8月1日の分裂劇を巡る主要な勢力や施策について振り返りましょう。

コア派(コア開発者)


 コア派(コア開発者)とは、クライアントソフトウェアBitcoin Coreの開発者たち、及びそれを支持するコミュニティ。

 ビットコイン開発の総本山であり、Bitcoin Coreは最大シェア(約70%)を誇る。これまでビットコインプロトコルを管理してきた事実上の支配者たち。

 ビッグブロック化のような、ハードフォークが必要なプロトコルの変更には大反対で、SegWit機能を実装しLightning Network等のオフチェーンスケーリングによってスケーラビリティ問題の解決を図る。

Bitcoin Unlimited(BU)派


 Bitcoin Unlimited(BU)派とは、中国マイナー企業(Bitmainなど)が中心となり、ブロックサイズの1M制限撤廃(ビッグブロック化)を実現するために立ち上げられたグループ。マイナー企業連合のハッシュパワーを盾に、遠慮なくコア派に物申す存在。

 SegWitを採用することで複雑なオフチェーン技術を追求するよりも、ブロックサイズの可変によってあくまでオンチェーンでのスケーリングを実現するべきだとの理想論を掲げるも、あんたら単に儲けたいだけだろ。と言う意見もある。

 というのも、ビッグブロックはマイニング報酬の増加が見込まれるのに対し、SegWit(オフチェーン取引の増加)ではむしろマイニング報酬は減ることが予想されるからだ。

 ビッグブロック化を実現する為にBitcoin Coreに対抗して、Bitcoin Unlimitedを開発している。

UASF

 UASF(User Activated Soft Fork ユーザー主導のソフトフォーク)とは、SegWit派とビッグブロック派の結論の出ない議論に終止符を打ち、ビットコインを前進させる為に考案された施策。

 SegWitの導入に賛成しているユーザーが、「8月1日以降、SegWitに賛成するシグナルを出さないブロックを無視する(正当なブロックと認めない)」という仕様のクライアントを使用することで、強引にSegWit導入の決断をマイナーに対して迫る。

 ただしUASFは非常に強引なやり方で、ブロックチェーンが一時的に混乱するリスクがある。

 マイナーがユーザーの意見に従いSegWit賛成ブロックを掘ってくれれば、SegWitの採用が決まり問題はないものの、もしSegWit賛成派と反対派のハッシュパワーが拮抗すれば、ブロックチェーンは8月1日に分岐することになる。しかもソフトフォークなので、完全に二手に分かれるわけではなく、場合によってはブロックチェーンのリオーグ(再編成)が起こる危険性がある。

 ブロックチェーンの再編成が起こるとコインの取引が巻き戻され、マイナーが発掘したコインは消えてしまうことになり、相当な混乱が予想される。

NYA(ニューヨーク合意)

 NYA(ニューヨーク合意)というのは、マイナーの意見がまとまらないまま、UASFが実行される8月1日を迎えてしまうと、ブロックチェーンの不安定な分裂が起こる可能性がある為、それを避ける為にマイナー企業や取引所運営企業、ウォレット企業などが集い行われた合意。

 SegWit2xと言われるその内容は、以下のように、まさにSegWitを望むユーザー側とビッグブロック化を望むマイナー側の折衷案と言える。

  • マイナーはSegWitの実装に協力する
  • 6ヶ月以内にブロックサイズの上限を2Mbyteに変更するハードフォークを行う

 ただし、この合意にはコア派は参加していない。招待したが断ったとのこと。
※コア派はあくまでハードフォークをせず(ブロックサイズの変更はせず)、SegWitの実装のみを希望していた。

UAHF

 UAHF(User Activated Hard Fork)とは、SegWit派とビッグブロック派が平和的に(別々のコインとして)決別できるようにBU派(Bitmain社)が発表した施策。ハードフォークによって生まれたチェーンがビッグブロック派マイナーの受け皿となることで、UASFによってブロックチェーンが分裂してしまう(ハッシュパワーが拮抗してしまう)のを防ぐ為に行う(という触れこみ)。

 そのハードフォークによって、ビッグブロック(上限8Mbyte)を認めるようにプロトコルを変更した新しいコイン(ビットコインキャッシュ)を誕生させる。

 UASFが発生した後でハードフォークを実行し、しばらくはBitmain社が独自のプライベート環境にてマイニングを行いながらUASFの様子を伺い、SegWitチェーンが安全に伸びていることを確認できてから、ブロックチェーンを公開するというプラン。

 UASFが成功し、UAHFも実行されれば、SegWit派のビットコイン(BTC)と、ビッグブロック派のビットコインキャッシュ(BCH)とに分かれることになる。

8月1日に起きたこと

 NYAによって一応の合意は得たものの、何が起こるか予測不能な状態で迎えた8月1日だったが、結局、ニューヨーク合意の通りSegWitチェーンが安定して伸びることでソフトフォークによる混乱は避けられた。

 BU派も予言通りUAHFを実行し、ビットコインから分裂したビットコインキャシュが別コインとして扱われることなり、SegWit派とビッグブロック派の確執には一応の決着を得た。

 ただし、この結果は、コア派にとって最悪のシナリオだった。

 SegWit派とビッグブロック派に、完全に別れて互いの道を進むのなら良かったが、ニューヨーク合意の通り、SegWitチェーン(ビットコイン)は11月にブロックサイズを2Mbyteに引き上げる為のSegWit2xハードフォークを行うことになる。

 コア派はブロックサイズ拡大に同意していないにも関わらず!

 要するに、せっかくSegWitチェーン(BTC)とビッグブロックチェーン(BCH)に分かれたというのに、コア派の意見であるブロックサイズは1Mのままという案はどちらにも採用されていない。コア派の意見は完全に無視されている。

 しかも、SegWit2xでは、SegWitでは無効化されるはずだったASIC Boostが有効になっており、BU派(マイナー企業たち)がコア派からビットコインを乗っ取ろうとしていることは明らかと言える。
※ASIC Boost・・マイニングに特化された集積回路によるハッシュパワーのブースト機能(中国マイナーが使っている)

 コア派は、完全にハメられた格好だ。

SegWit2xハードフォーク

 ブロックサイズの上限を2Mbyteに増やすというプロトコルの変更を行うには、必ずハードフォークが必要になる。それはブロックチェーンの仕様上、仕方がない。

 コミュニティ全体の意見が統一された状態でのハードフォークなら、古い方のチェーンを捨てることで、コインを分裂させることなくバージョンアップは完了する。

 ただし、ハードフォークの場合、ソフトフォークとは違いそれぞれのチェーンは互換性がなくなるので、掘りさえすれば別コインとして生き延びることになる。

 つまり、2Mへのハードフォークを実行しても、元のチェーン(1M)は消えて失くなるわけではない。

 ビッグブロック化に反対するコア派は、ハードフォーク後も元のチェーン(SegWit1xチェーン)を元祖ビットコインとして伸ばしていくつもりだ。

 結果的に、SegWit2xハードフォークは単なるバージョンアップではなく、ビットコインから分裂する形で、SegWit2xコインを誕生させることになる。

どちらが本物のビットコイン?

 というわけで、11月16日にビットコインはSegWit1xと、SegWit2xに分裂する。

 これがビットコイン史上最悪の混乱を招くことになる。

 SegWit1xのクライアント(Bitcoin Core)を管理するコア派からすれば、SegWit2xコインは、ビットコインからハードフォークしたアルトコインだ。ということになる。

 が、SegWit2x陣営からすれば、NYAで合意した通りビットコインは、ハードフォークを経て2Mブロックにバージョンアップするんだ。ってことになる。

 つまり、両陣営ともに「ビットコイン」を名乗る権利があるのは自分たちだ!という認識の元、ハードフォークが行われることになる。

 そして、SegWit2x陣営は、当然のようにリプレイプロテクションは未実装だと言う。「このハードフォークはコインを割るためじゃなくあくまでビットコインの進化の為だ。古い方のチェーンなんて捨ててしまえばいい!」と言わんばかりに。
※リプレイプロテクション・・ハードフォークによってコインをスムーズに分裂させる為に必要な機能。

 SegWit2xコイン側がリプレイプロテクションを実装しない限り、取引所もウォレットも別々のコインとして扱うことは出来ない。

 にも関わらず、実際、ブロックチェーンは分岐し、コインは2つに分かれることになる。

 しかも、どちらがビットコインの名を正当に継承するブロックチェーンなのか、誰がどう判断すればいいのかも分からない。

 取引所によって、コインの名前が違う(あるいは価格が違う?)なんてことになるかも知れない。

 そんなビットコイン史上最悪のハードフォークが2017年11月16日に決行される。

 一体、ビットコインはどうなってしまうのか?

非中央集権の難しさ

 ビットコインは非中央集権(P2P)による分散管理という理想を掲げてスタートしたわけですが、ここ数年は主導権の奪い合いが激化しているようです。

 プロトコルによる支配を目指していたはずが、結局、プロトコルを支配しようとする人間同士の争いになるっていう。。

 これが欲深い人間の性なのか。

 とうとうビットコインの定義すら脅かしかねない今回のハードフォークですが、ビットコインの名を汚すことの無いように、なんとか統一的なルールを作ってもらいたいところです。

 こうなってくると、トップダウンで物事を決めてしまえる権力構造があった方が混乱を防げるものだなとつくづく思います。通貨の管理にはやはり権力が必要なのか?

 トラストレスどころかプライスレスにならないようにお願いしたいところです。

arrowright取引所および関連企業のSegWit2xハードフォークへの対応まとめ

追記
SegWit2xハードフォークは回避されました。

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Nobuo

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仮想通貨に興味があるただの人です。モナコインが好きなのでMonazon.jpを作りました。よろしくです。